相続放棄した後の財産はどうなるの?

前回のブログで、相続放棄をした人は、相続財産管理人が選任されるまでその財産の管理をしておかないといけないと書きました。

では、相続財産管理人は誰が選任の申し立てをするのでしょうか?

申立人は、利害関係人か検察官になります。
利害関係人を具体的に言うと、相続放棄した親族、被相続人(亡くなった人)の債権者(大家さんとか、銀行とか)、特定遺贈を受けた人や特別縁故者(亡くなった人と特別の縁故があった人)になります。
申立先は、亡くなった人が最後に住んでいた所を管轄している家庭裁判所になります。

相続財産管理人は、相続放棄された場合の他、相続すべき親族が誰も見つからない(具体的には、配偶者も子も兄弟姉妹もいないケース)場合にも選任の申し立てがされます。

相続すべき親族が見つからない、といった場合には、申立ての費用は収入印紙800円と官報広告料で済む場合がほとんどです。
しかし、相続放棄した場合はマイナスの財産がプラスの財産を大きく上回る場合がほとんどなので、申し立てた際に家庭裁判所から数十万円~100万円くらいの予納金を要求される場合があります。

私が弁護士事務所に勤めていた際の相続財産管理事件では、債権者である銀行が予納金を100万円ほど支払って相続財産管理人の選任を申し立てていました。
結果として、銀行が債権を回収することはできず、全くの損になってしまいましたが、政府系の金融機関だったので、放置せざるを得ず仕方なく申し立てたのだろうと思われます。

この予納金、何に使われるのかというと、相続財産管理人の報酬や亡くなった人の財産を処分したり、諸々手続する費用として使われます。
相続財産管理人は、相続人(親族)がやるべきことは、ほぼすべてやらなければなりません。
亡くなった人が契約していた電気・ガス・水道・新聞・電話を止める手続もしますし、年金などの受給を止める手続、未支給年金の請求、健康保険や介護保険の資格停止手続、預貯金の解約、価値のない家財を処分(当然処分費用がかかります。)、家が古くて売却する価値が無ければ取り壊します。クオカード、切手など少しでも価値のあるものが見つかればすべて売って換金します。
換金して得られたお金と予納金の中から、相続財産管理人の報酬を差引き(この報酬は家庭裁判所が決めます。)、債権者にも支払いをします。
が、相続放棄の場合はマイナスが大きいので、そもそも債権者にお金が戻ってくることは期待できないと思った方がよいかと思います。