相続放棄と非課税枠

前回のブログを読まれた方は、相続放棄をしても受け取れる財産の中に「生命保険金(死亡保険金)」があったことに気づいたでしょうか?

相続放棄をした人が受取人として指定されている死亡保険金、は相続放棄をしても受け取れると書きました。
(※受取人が「被相続人」と指定されていたら受け取れない財産になります。)

では、相続放棄をしたけれども死亡保険金を受け取った場合、相続税はどうなるのでしょうか?
もちろんかかりますね。

ここでまず気になるのが、相続税の2割増です。
相続人でない人が遺贈などで遺産を受け取ったら、かかる相続税は法定相続人の2割増になります。
相続放棄をした人は「初めから相続人とならなかったものとみなす。」(民法939条)、となっているということは、死亡保険金を受け取ったら2割増になってしまうのでしょうか?

安心してください。相続放棄前にもともと法定相続人であったのであれば2割増にはなりません。

次に、生命保険の非課税枠はどうでしょう?
生命保険の非課税枠は、「500万円×法定相続人の数」です。
法定相続人が複数いたとして、そのうちの一人が何らかの事情で相続放棄したとします。
このとき、この相続放棄した人は法定相続人の数の中にカウントされるでしょうか?

正解は、カウントされます
ただし、相続放棄をした本人には非課税枠の適用はありません。
相続放棄をしていない法定相続人だけが非課税枠の恩恵を受けられます。


ここで生命保険の話は置いといて、遺産にも相続税の「基礎控除」がありましたよね。
遺産の基礎控除は、「3000万円+600万円×法定相続人の数」です。
この法定相続人の数の中に、相続放棄をした人はカウントされるでしょうか?

正解は、同じようにカウントされます
相続放棄をした人の数も含めて法定相続人の数を数えるので、法定相続人の誰かが相続放棄をしても基礎控除額は変わりません。