遺留分減殺請求→遺留分侵害請求へ

法定相続分より多く財産を承継した相続人や受遺者に対しては、遺留分に当たる部分を渡すよう請求できる(遺留分減殺請求)ことをご存知の方は多いと思います。
今回の民法改正では「遺留分減殺請求」から「遺留分侵害請求」に名称が変わるだけでなく、その内容も変わります。

例えば父親が亡くなって、相続人は長男・長女の2名。財産は自宅、預貯金がありました。長男が全財産を相続したとします。当然、長女は遺留分を長男に請求しますね。
制度の内容がどのように変わったか、以下、ご説明します。
【現行】
①遺留分減殺請求により遺留分を侵害した限度で贈与又は遺贈は執行し、すべての遺産が長男と長女の共有となる。
②長女は、特定の財産(例えば自宅)だけを選択して請求することはできず、また、金銭的解決の選択権も与えられていない
③長男は、遺留分に見合う金銭を価格弁償することができる

【改正後】
第1046条「遺留分権利者及びその承継人は、受遺者又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。」
つまり、
①遺産が長男と長女の共有にならない
②長女は、金銭による支払を求める。

改正後の遺留分侵害請求権行使の期間制限は、以下のとおりです。
1.遺留分権利者が、相続の開始又は遺留分を侵害することを知った時から1年以内(現行と同じ)
2.相続開始の時から10年を経過するまで(現行と同じ)
3.裁判所は、受遺者又は受贈者の請求により、相当の期間を許与することができる