成年後見制度とは、認知症や知的障碍、精神障碍等により判断能力が不十分になってしまった人を法的に支援する制度です。
成年後見人は、代理人として、本人のために本人に代わって ①財産管理 ②身上監護 をします。

成年後見制度には、法定後見と任意後見の2つの種類があります。

法定後見と任意後見

法定後見
既に判断能力が低下してしまっている場合に、本人・配偶者・4親等内の親族または3親等内の姻族の申立てにより裁判所に後見人を選任してもらう制度
任意後見判断能力が十分なうちに、将来判断能力が低下するときに備え、「誰に」「何を」任せるかを予め契約で定めておく制度

法定後見 任意後見
メリット ①ご本人の生活環境と財産をしっかり守ってもらえる

②不正な契約を取り消せる
(ご本人が詐欺により高額商品を買わされるなどの被害を防ぐことができる。)

③ご本人の財産管理を家庭裁判所が定期的にチェックしてくれる

①ご本人が希望する人に後見を頼むことができる

②どのような管理内容にするか契約時に決めておくことができる

③親族が後見人につけば、後見人報酬をゼロにすることもできる

デメリット ①家庭裁判所が後見人を選任するため、親族が後見人になれるとは限らない
(とくに近年は弁護士等の専門職が後見人に選任される傾向にあります。)
②専門職が後見人についた場合報酬が発生する
(資産状況に応じ月額3~6万円。ご本人が亡くなるまで払い続けます。)③ご本人の老後の生活や介護は、親族ではなく後見人が決める

④家族のためにご本人の財産が利用できなくなる
(例えば、ご本人に扶養されていた場合、ご家族の生活費が制限される可能性があります。)

⑤資産の活用、運用を積極的にすることはできなくなる

⑥相続税対策が難しくなる
(節税のために贈与やアパート建設をすることはできなくなります。)

①取消権がない

②契約書に書かれていないことは後見人はできない

③家庭裁判所が選任した後見監督人の報酬が発生する
(資産状況に応じ月額1~3万円。法定後見人の半額程度)

④資産の活用、運用を積極的にすることはできなくなる

⑤相続税対策が難しくなる

 

任意後見契約の3つの形態

将来型:本来の任意後見契約の形態です。契約を締結する時点では、ご本人の判断能力に問題はないものの、将来判断能力が低下したときのことを想定して契約を締結しておき、実際に判断能力が低下した時点ではじめて受任者(任意後見人をお願いした人)による後見が開始します。

移行型:現時点では、ご本人の判断能力には問題ないものの、病気を抱えていたり、その他身体的な機能の衰えを感じており、日常の財産管理等に支障があるため、契約締結時から受任者に財産管理等を委託し、将来的にご本人の判断能力が低下した後は、任意後見監督人(公的監督)の下で引き続き受任者に後見人として幅広く事務処理を行ってもらうものです。

即効型:既に判断能力の衰えがみられ、軽度の認知症、知的障害、精神障害等の状況にあって、補助や保佐の対象となりうる方におすすめするものです。このような方であっても、契約締結時に意思(判断)能力があれば、自ら選んだ相手との間で任意後見契約を締結することができるとされています。この場合は、契約後直ちに任意後見監督人選任の申立てを行い、任意後見人の保護を受けます。

サポートの流れ

まずは無料相談にお越しください。
将来、法定後見と任意後見のどちらを利用したらよいのか迷っている、そもそも後見を利用すべきかどうかもわからない、という方も一度ご相談ください。
お客様の家族や資産の状況等くわしくお伺いしたうえで、お客様が、それぞれの制度を利用した場合のメリット・デメリットも含めてご説明いたします。
お伺いした内容によっては、家族信託(民事信託)、財産管理委任契約等、他の手段も含めて、ご案内いたします。
そのうえで、一旦ご家族ともよく話し合い、そもそも成年後見制度を利用するのかどうかも含めてご検討ください。

任意後見を利用すると決めたら、
支援が必要な人(ご本人・被後見人となる人)、支援する人(任意後見人になる人)と一緒に、改めて事務所にお越しください。事務所に来るのが難しい場合には出張対応いたします。
支援のご希望内容を詳しく伺い、何を契約に盛り込むか決めます。

任意後見契約書及び代理兼目録(案)を作成、ご本人、任意後見人になる人双方にご確認いただきます。
そのうえで、更に盛り込みたい、削りたい、というご要望に合わせ修正します。

公証人と文案調整及び予約を取ります。

予約日に、ご本人、任意後見人になる人と共に公証役場へ
任意後見契約書を公正証書にします。

任意後見契約の必要書類(すべて発行から3か月以内)
ご本人・・・印鑑登録証明書、戸籍謄本、住民票
任意後見人になる人・・・印鑑登録証明書、住民票