後見人報酬の助成金 — 成年後見助成基金とは?

以前、生活保護の方が後見制度を利用する場合には、各市町村に「成年後見制度利用支援事業」があることを、お伝えしました。
では、「生活保護を受けるほどではないけれども、所得が少なくて後見人に報酬が払えない」と言った場合には、何も支援がないのでしょうか?
実は、そう言った場合にも条件はありますが「成年後見助成基金」という助成金があります。

成年後見助成基金とは、所得が少ないために成年後見制度が利用できない、といったことのないよう、公益社団法人である成年後見センター・リーガルサポートが設けた基金です。
成年後見センター・リーガルサポートは、日本司法書士会連合会が中心となって司法書士を正会員として設立した法人です。

成年後見助成金の応募は毎年4月が申込み期間になっています。

応募ができる対象は?

まず、対象となる後見人は、
・既に成年後見人等に就任して1年以上後見事務を行っている
・被後見人の親族ではない
ことが条件になります。

被後見人(後見を受けている人)の条件は、2021年の募集では
・後期高齢者、知的障がい者、精神障がい者であること
・被後見人の預貯金額が260万円以下で、かつ他に資金化できる適当な資産がないこと
となっていました。(※年により条件が変わる可能性があります。)

助成金の額は?

助成金の額は、
被後見人等一人に対し、原則として、月額1万円が限度。
最長5回まで申請が可能(つまり最長5年間申請が可能)だそうです。
ただし、1回申請したら5年間助成金を受け取れるということではなく、1年目は新規申込み、2年目以降は継続申込みによる申請が必要になります。

助成金を受けるまでのおおまかな流れとしては、
確定証明書付きの審判書又は登記事項証明書、任意後見契約書、被後見人の財産目録、所得証明書、と言った必要書類を揃えて提出。

成年後見助成基金の運営委員会で内容を審査

助成金を受けられるかどうかの結果が通知される

助成金決定通知書を持って家庭裁判所に報酬付与の申立てをする

家庭裁判所より審判が出たら、審判書の写しを成年後見助成基金へ送付
と言った流れになります。

親族ではないけれども、後見をお願いされた。就任したはいいけれども被後見人の所得などが少なくて報酬を貰いづらい、という場合には、こちらの助成金の申請を検討してみてはいかがでしょうか。
募集要項や申込書は最新版のものを確認、使用してくださいね。
リーガルサポートの成年後見助成基金のぺージはこちら

関連記事

  1. 任意後見契約の受任者を複数にすることはできる?

  2. 被後見人になると制限される資格は?

  3. 一人暮らしの高齢者の日常生活の手続・金銭管理の福祉サービス

  4. 成年後見人等の報酬額と後見人に親族ではなく専門家が選任される目安は?

  5. 任意後見人になれる人は?

  6. 後見人ができること・できないこと