遺留分を請求したい!

遺言を開けて見たら、自分にはもらえる遺産が無かった。
もしくは、僅かな遺産しか自分には分けてもらえないような内容だった。
そのような場合、「遺留分を請求したい!」と考えますよね。
そんな時にはどうすればよいのでしょうか?
今回は、遺留分の請求について具体的な方法を簡単に説明したいと思います。

まずは「欲しい」と意思表示

まずは、多く遺産をもらっている相続人に対して「遺留分が欲しい」と意思表示をしましょう。
遺留分は請求しないともらえません。

ちなみに請求する意思表示の方法についてルールはありません。
したがって、口頭で伝えても、手紙を出すのでもどちらでも構いません。

とは言え、口だけで言っておいた場合、「遺留分が欲しいなんて言ってたっけ?」「遺留分が欲しいとは聞いてない」などと、後日しらばっくれられてしまう可能性がありますよね。
遺留分の請求には期限がありますので、「言った」「言わない」でいつ意思表示をしたのかの証拠がないと、請求したい側にとって不利です。
ですので、遺留分の請求は、口で伝えたほか、念のため内容証明郵便で通知しておき、「いつ」遺留分を請求したのか証拠を残しておくのが良いです。

請求した後は、当事者間で話合い、具体的にいくらもらうのか、いつまでにもらうのか、などを決めます。

話し合いが難しければ調停へ

相続人間の仲が悪く、直接話し合うのが難しい場合は、弁護士に依頼します。
依頼された弁護士は、本人の代理人として、相手方または相手方の弁護士と話し合います。
代理人を立てて話し合った結果、合意ができれば、遺留分がもらえます。

しかし、弁護士を立てて話し合っても解決できない場合は、残念ながら裁判所に行くしかありません。
とはいえ、いきなり訴訟というわけではありません。
まずは家庭裁判所に「遺留分侵害額の請求調停」を申し立てます。

管轄は、「相手の住所地」を管轄する家庭裁判所です。
つまり、調停を申し立てる側は、訴える相手の住所地まで出向かなければならない、というわけです。
相手の住所が遠方である場合には、申し立てる側にとっては交通費もかかるし、出向くのに時間もかかるし、と悩ましいですね。

ちなみに「調停」は家庭裁判所ではなく、各ADR機関に申し込んで行うこともできます。
ADRとは「裁判外紛争手続」のことです。
もう少し説明すると、「訴訟手続によらず民事上の紛争を解決しようとする紛争当事者のため、公正な第三者が関与して、その解決を図る手続」です。
「裁判所に行くのはちょっと・・・」と抵抗のある人は、このADRを利用する、という手もあるでしょう。
ADRは非公開の手続ですので、プライバシーの保護がきちんとされています。
場合により、裁判所に行くより費用が安くなることもあります。

行政書士会も各県にADRセンターを設けており、相続に関する紛争を取扱っているセンターもあります。

調停でうまくいかなければ訴訟

調停を申し立てて、家庭裁判所で長いこと話し合ってきたけれども、やはり合意に至らない、となると「不調(調停不成立)」ということで調停を終了させます。

さて、遺留分侵害額の請求調停が不成立となった場合、遺産分割調停とは異なり、審判には自動的に移行しません。
そのため改めて、遺留分侵害額請求訴訟を提起する必要があります。

遺留分請求額訴訟の管轄は、家庭裁判所ではなく、地方裁判所または簡易裁判所(簡易裁判所になるのは請求金額が140万円以下の場合です。)になります。
遺産分割審判の管轄は家庭裁判所であるため、遺留分請求額訴訟も家庭裁判所であると思っている方が多いですが、地方裁判所または簡易裁判所ですので気をつけてください。
(とはいえ、このような状況に陥った場合、ほとんどの方が弁護士を付けるかと思います。弁護士を付けず、ご自身で訴訟を起こす、という場合はお気を付けください。)

こうして争い、訴訟において確定すれば、遺留分を取得できます。

以上、今回は、遺留分の請求の具体的な方法について簡単に説明いたしました。

 

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